ポンとチー
よく聞くのですが「ポン」とか「チー」っていったいなんですか?
ああ!とうとう、それを教える時がきてしまったのか… まあ、なかなか重要なので覚えてほしい。
ポンとは?
まだ「テンパイ(あがりの1つ手前)にもなっていない状態じゃ。
「ポン」とは簡単にいってしまえば、自分が同じ牌2枚を持っている時に、誰かが捨てた3枚目を吸収してしまうことじゃな。
今、自分の手の中にとあるわけじゃ。正面の相手がを捨てた。これをいただいてしまうのがポンじゃな。
ポンをするには、まず自分が同じ牌を2枚もっていることが条件じゃ。
上の画面の状況ではも2枚、手の中にあるので、誰かが捨ててくれればポンすることは可能じゃな。
ちなみに自分が持っている同じ牌2枚のことを「対子(トイツ)」というんじゃな。自分が持っている「対子」を使って、誰かが捨てた同じ牌を吸収してしまうようなもんか。
チーとは?
チーも原理としては同じなんじゃが
順子(数字の3つ続き)の欠片を持っている時に、
自分の左に座る人が捨てた牌、をもらうわけじゃ。
ポンはどこからでもOKじゃが「チーは左側の人が捨てた牌限定」じゃよ。
と持っている時に真ん中のをもらったりもできるよ。
ネット麻雀の雀ナビ麻雀オンラインなんかではチーやポンできる時には、コンピューターが「チーしますか?ポンしますか?」と質問してくるはずじゃ。
で、それをするとどうなるんだ? メリットはあるのか?
ポンした場合、を誰かが捨てたとしようかぇ。
そこでワシは「ポン」と声をだすわけじゃな。するとこうなる。
どこに座っている人からポンしたかによって置き方がかわるぞ。
右の人からポン
正面の人からポン
左の人からポン
チーは左側の人からしかできんといったが、この場合は
という風に相手からもらった牌を一番左に持ってくるわけじゃな。
実際のゲーム画面でみるとこんな感じじゃな。みんなポンやチーをしているのが見えると思う。
ポンとチーのメリットとデメリット
で、それをすると、どうなるんだよ? 聞いてるのか?
まあ、そう慌てんでもいいじゃろう…。メリットとデメリットあるのでよく聞いて理解してほしい。
まずメリットを説明しようか。
麻雀の基本は「3枚1組のグループ4つ+2枚1組の雀頭」とは、前に言った通りじゃが、ポン・チーをすることによって完成までのスピードが早くなる。
自分で引いてこなくても、相手の捨てた牌をもらえるんじゃから、当然、1つのグループを作るまでのスピードも早くなるわな。
相手の力を借りているようなものよねぇ。 それなら、どんどんポンやチーをすればいいんじゃないの?
ところが、そうはいかせてくれないんじゃ。デメリットも当然ある。ポンやチーをすること、つまり相手の捨てた牌をもらうことを「鳴く(正式には副露(フーロ)」というんじゃが、これをやってしまうと「リーチ」ができなくなる。
「どんな集め方でもリーチさえすればあがれる」とは言っていたが、ポンやチーをすると「リーチ」ができない、つまり最低1ハンの役を作ることができずに「あがれなくなる」可能性がでてくるわけじゃよ。
下の場合を見てほしい。
この状態は、いちおうやが来れば「4つのグループ+雀頭」の麻雀における基本的な形はなしているが「役」がないんじゃ。リーチするばあがれるが「ポン」と「チー」してしまっているので「リーチ」はできんよ。
つまり「最低1ハンの役がないとあがれない」という条件をクリアーしていないわけじゃ。
こういう状態は「あがる」ことはできないが、形はテンパイじゃから「形式テンパイ」略して(ケーテン)と呼ばれとるぞ。「3枚1組のグループ4つ+2枚1組の雀頭」はそろっているのにあがれないわけじゃよ。ロンでもツモでもあがれんよ。
せっかくそろってるのに、あがれないんじゃ意味ないわね。
デメリットはまだまだあるぞい。
「ポンやチーすること」を鳴くと呼ぶわけじゃが、反対にポン・チーしていない状態を門前(メンゼン)というのじゃな。これは基本用語なんで覚えてほしい。
ポンやチーをすると、この「メンゼン状態」が崩れるわけじゃな。こんな独り言があるとする。
「今回はメンゼンでいくかぁ~」
この意味は、今回はポン・チーせずに麻雀をやるか!って意味じゃな。鳴かないで麻雀をすることじゃ。
たとえば「ホンイツ」という役がある
(一種類の数牌 + 字牌)
この役はメンゼン状態では「3ハン」じゃが、ポン・チーをすると相手の力を借りたペナルティーとして「2ハン」に下がってしまう。
(ポンやチーをして完成させると点数が少なくなる役も多い)
こういうのは「食い下がり」というんじゃな。役の中では「食い下がり」が適用されて、ポンやチーをして、相手の牌を食ってしまうと点数が下がるものがある。
なるほどな。相手の力を借りたから、ハン数がさがるのは、まあ当然といえば当然だな…
じゃあ、1ハンの役はどうなるの?
1ハン役の多くはポン・チーした時点で「消滅」してしまう場合があるぞ。リーチもまさにそうじゃな。
先に紹介したイーペーコーなんてのもそうじゃな。
(まったく同じ順子を2組=1ハン役)
これはポンやチーをした時点で消滅してしまう。誤解なきように言うが、イーペーコーを構成している6枚以外の部分をチーやポンしても消滅してしまうから注意が必要じゃよ。いわば、メンゼン状態限定の役じゃな。
多くの麻雀役は相手の力を借りるような「ポン」「チー」をすると、ハン数が下がるか消滅してしまうようなデメリットが発生する。
いままで登場した1ハン役の中では、「役牌/1ハン」はポン・チーしても消滅はぜんぞ。 これが役牌のいいところじゃな。もともと1ハンの役じゃから、別にポンしてもこれといったデメリットはない。「あがりへの特急券」といわれる由縁かもしれん。
というポンをしても、とりあえず「1ハン」が確定しているから、ポンしようがチーしようが後は形さえそろえればあがれるわけじゃな。場合によってはものすごいスピードであがったりもできる。
初心者に対していうなら、ポンとチーの一番のデメリットは「役がなくてあがれなくなる」ということじゃよ。むやみやたらに「ポン」や「チー」をして「テンパイ」したはいいが、役がない!あがれないよ!では、なんのためのポン・チーかわからんからな。
ポンとチーのうまいやり方
じゃあ、「上手なポン」「上手のチー」のやり方ってあるのですか?
そうじゃな~ やっぱり「役作り」をよく考えて、意味のあるポン・チーをするべきじゃろう。というか「今回はどの役であがる」という自分の中での設計図があってのポン・チーと思っていい。役作りをぬきにはポンやチーはできんもんじゃろう。
上の場合はホンイツがらみのチーやポンじゃな。ホンイツは3ハン→2ハンに下がってしまうが、完成までのスピードを考えたら意味のある行為かもしれん。ちゃんとあがれるし。
この場合は、すでに手の中で「發」があるので役牌の1ハンが確定している。そのうえでポンやチーをしかけている。リーチできなくなったりで点数が下がるかもしれんが、自分があがればゲーム終了になる終盤の局面では非常に意味のある「速攻」ともいえる攻撃になる。
ああ、わかったぜ。デメリットさえ知ればポンとチーはうまくつかえそうだな。
デメリットはまだあるぞ。ポンやチーをすることは、1回につき、自分の牌を3枚相手にみせることになるんじゃ。合計3回のポンとチーをするとこうなる。相手からはこう見えるわけじゃよ。
ほれ、相手がこんな状態じゃったらどうする?麻雀は「情報戦」じゃから、この状態からイロイロと読み取れるじゃろう?
こんな状態だと、相手が「マンズのホンイツ/一種類の数牌+字牌」もしくは「チンイツ(一種類の数牌)」を狙っていることが、だいたいわかりますね。そうなると誰も捨ててくれそうにないから、ロンでのあがりは期待できなくなる… もう聴牌(テンパイ)しているかもしれませんし。
状況によっては、うまく活用すれば、かなり有利に闘うことができるぞ。まあ、初心者ははじめのうちはポンやチーに頼らず「メンゼン状態」をキープすることをすすめるぞぃ。ポン・チーをする、つまり「鳴く」と完成までのスピードが速くなる反面、食い下がりや次に説明する「ドラ」との関係もあって、点数が安くなる傾向があるわけじゃな。それに、リーチさえすればあがれるわけじゃしな。
役作りを念頭に置いてやる行為なので、麻雀役を覚えきっていない初心者には、とりあえずどんな形でもそろいさえすればあがれる「リーチ」ができる状態をおすすめしたい。
よくある初心者の話では、ゲームで麻雀やってると「チーしますか?」「ポンしますか?」とコンピューターに質問されて、よくわからないけどポンとかしてみる。で、最終的に完成の形になっているのに、役がないのであがれない。そこで「なんで、そろってるのにあがれないんだよー」と嘆くわけじゃな。ちゃんと役作りを念頭においてやっておくれ。
別にポン・チーすることが悪いことではないし、スピード勝負の展開では上手い人は絶妙のタイミングでポンやチーを仕掛けてくるわけじゃしな。麻雀の上手い下手の技術差が出る部分ではあるわな。
ポン・チーしてのタンヤオ
重要な補足として「ポン・チー」してのタンヤオ(数字の2~8で作る1ハンの役)は「喰いタン」と呼ばれて、ルールによって「有/無」が設定されている場合が多い。
(ポン・チーしてのタンヤオ)
ポン・チーしてのタンヤオは作りやすく、どんな状態からでも狙いやすいんじゃな。安くてもいいのであがって勝負を終わらせたい!けど、手元に役牌もないので狙えない。じゃあ「クイタン」で行こう!なんて時は非常に重宝する。なので、このポン・チーしてのタンヤオ(喰いタン)が認められるのか?認められないのか?では、けっこう戦略に違いがでる。ゲームサイトにも絶対に書いてあるルールなので、ぜひ確認しておくのがいいじゃろう。
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