麻雀のイカサマ | ガン牌 | 燕返し

前回はネット麻雀のイカサマについて触れたが、今回はリアル麻雀のイカサマについて紹介しておく。こちらは、バリエーションも豊富なんじゃな。

漫画とかでよく見るわよね。つばめ返しとかっ!

そうじゃな、漫画ではストーリーの中で使われたりする。
数も多いので、代表的なものを紹介しておこうか。

積み込み系

「ツミコミ系」とは、牌をかき混ぜて山を作る時に、あらかじめ自分の欲しい牌を特定の場所に置いておくわざじゃな。そして、牌を配る時にうまい具合に自分に来るようにするんじゃ。有名なものには、「元禄積み」とかあるわな。

YOUTUBEにわかりやすい動画があったので紹介しておこう。

元禄積み(げんろくづみ)


うわー、すごい。この後でサイコロの目を調整して、ダイサンゲンが自分のところに来るのよね。けどこれって自動卓ではできないんじゃないの?

そうじゃ。これは全自動卓では無理な技じゃ。昭和の中ぐらいに全自動卓が登場するわけじゃが、登場した時はある種の衝撃じゃったんじゃ。ツミコミ系のイカサマがいっさいできなくなるんじゃからな。今となっては無理な技じゃ。

サイコロの目に関してじゃが、うまい人になると、出したい目を操作できるようになる。といっても、厳しい努力がいる。それに「置きサイ」と呼ばれる技もあって、サイコロを振った風に見せかけて、実は置いただけ、とかいう技もあるぞぃ。

がん牌と呼ばれる技も有名じゃな。これは、牌の裏に模様があるから、それを1つ1つ覚えて、裏から見てもどの牌かわかるようにするんじゃ。また牌の傷なんかを覚えておくんじゃな。

牌の裏に模様なんてあった?

今はない。昔は材質が竹じゃったから、1つ1つ微妙に竹の目が違ったんじゃ。それを覚える、という頭が痛くなる技じゃ。今では牌の模様がなくなってしまったので、無理なんじゃが、規模を縮小しての「ガン牌」がある。

時々、麻雀をやっていると牌の一部が欠けていたり、傷があったりすることがあるじゃろう?
そういった牌を記憶したりする程度じゃな。まあ、重要な牌に鼻クソ付けてみたりとか、そういった荒業もある。

燕返し(つばめがえし)

これは、おそらく麻雀のイカサマでもトップクラスの知名度じゃな。これは「ツミコミ技」との連携じゃが、自分の手元にある13枚と自分の目の前の山にある13枚を、一瞬にして、そっくりそのまま入れ替えてしまうんじゃ。かなりの大技じゃ!

これも動画があるので紹介しておこう。

燕返し(つばめがえし)


ごめんなさい、印象と少し違うわね…。
なんか、もっとこう、パパっとすりかえるイメージがあったんだけども…。もっさりしてるっていうか。

いや、こういうもんじゃよ。

麻雀漫画の「哲也―雀聖と呼ばれた男」などでも時々見れるが、一瞬ですり替える早業ってニュアンスでかかれるが、ちょっと違うと思うぞぃ。

たとえば、「今からつばめ返しやります」といって、じっと見られたら、確実にバレる技じゃろうな。実際、2秒ぐらいはかかるんじゃないかと思う。マジシャンがやるコイン移動の手品みたいに、速すぎて肉眼でとらえるのは困難だ、という種類の技ではない。

みんなが理牌(牌を整理している)している時や、ちょっと注意力が散漫になっている時に、パパっとやってしまう技じゃな。



あと、完全にイカサマってわけではないし、不正行為かどうかは微妙なんじゃが、小手返し/こてがえしと呼ばれる技があるわな。別に「イカサマ」ってわけではないと思う。

小手返し(こてがえし)

これは何か意味があるの?

これはじゃな、ツモして来た牌を、気付かないうちに手の中に入れることで「手出し」と「ツモ切り」をわからなくさせるんじゃな。

捨てられた牌には2種類あるんじゃよ。

・手出しの捨て牌
何かをツモしてきたので、手の中にある不要と入れ替えて牌を捨てた

・ツモ切り
ツモしてきた牌をそのまま捨てる

この2つの違いで何がわかるかといえば、相手の手の進み具合とか、中盤以降でずっとツモ切りしてばっかりじゃと、すでにテンパイして当たり牌を待っているという風にも見える。

何より、テンパイ濃厚の人が「手出し」で牌を捨てると、それは待ちが変わった可能性があるんじゃな。1巡前にセーフだった牌が、手出しの後では、アウトになる可能性がある。逆にツモ切りの場合じゃと、手が変化してないので以前の安全牌情報が有効になる。

へえー、そんなことができるのね。

この小手返しは、ツモ切りと見せかけて、実は手出しだったみたいな。

この「小手返し」をイカサマとするかは微妙なんじゃが、別に牌をすり替えてるわけでもないので、不正にはならんじゃろう。ただし、マナー違反とされる場合もあるので、やるに注意が必要じゃな。ミスター麻雀の異名を持つ「小島武夫プロ」なんかが、この小手返しを得意としてることで有名じゃよ。


【小島武夫】
日本プロ麻雀連盟所属。麻雀界の大御所であり「ミスター麻雀」の呼び名で親しまれている。
小島武夫の実践麻雀 負けない理論 攻撃編


ついでに教えておくが、これはイカサマではなくテクニックの1つとして「空切り」などがある。

    

こういう状態で、例えばをツモして、いらないからといってツモ切りするのではなく、手の中の同じ牌であるを捨てたりする。相手から見ると、手出しのように見えるが、実際はツモ切りと同じになる。小手返しの逆の効果があるわけじゃな。効果絶大ってわけでもないじゃろうが、覚えておいていいと思うぞぃ。

あと有名なところでは、コンビで当たり牌や欲しい牌を伝え合う「ローズ(通し)」などがあるわな。お店の人間や第三者が関与している場合もあるわけじゃよ。ネットで言えばチャットで牌を教えたりするのは、広い意味での「通し」じゃな。最近は携帯電話なんかを使ったりするケースもあるみたいじゃし。

携帯電話とか、確かにメール見せろなんていいにくいから、巧妙な手段かもしれないわね。

イカサマでも「つばめ返し」なんてクラシカルな技にはでくわさんじゃろう。

むしろ「ごまかし」といったケースの方が多いんじゃな。間違って多牌・少牌しているのに黙っていたり、点数の申告をごまかしたり、フリテンでロンしてしまって、早々と牌を崩したりとか。

例外もあると思うが、基本的に「イカサマ」が使える人は、普通に打っても初心者よりは強い。イカサマは弱い人が勝つためにつかう技ではなく、強い人が安定した勝ちを得るために使う技じゃないかとワシは思う。

まあ、高度のイカサマには芸術性があり、技術の集大成が見られて、努力が必要なのもわかる。それを実際のゲームで使うとなれば別じゃよ。実は、この麻雀講座の一期生にイカサマの天才がおった。

麻雀の腕も天才的じゃったが、イカサマの腕はそれ以上に悪魔のようじゃったんじゃな。ワシはイカサマなど使わずに、正統派の理論や戦術で麻雀をやるように言っておったんじゃが、そいつはどうしても聞かなかったんじゃ。それどころか、ワシの研究を否定しおった。

それで喧嘩をして飛び出てしまったんじゃよ。

なんだか複雑そうな事情ね。その人は今、何をやってるの?

アメリカでコンピュターの会社を経営しておる。きっと大会に出場してくるじゃろう。メルと戦う時もあるかもしれん。そうなった時、きっとイカサマを駆使してくるはずじゃから、注意しておくんじゃな、ということじゃ。

わかった。ワタシもちょっとイカサマ対策をたててみるわよ。
自分が使わなくても、覚えておくと、イカサマされた時に気づきやすいかもしれないわね。


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